礼拝メッセージ

7月3日(日) 礼拝メッセージ要旨

 

「アンテオケ教会―海外宣教の基地」       使徒の働き11章19~30節

紀元1世紀頃、シリア州の人口80万都市の中に誕生したばかりの小さな教会、「アンテオケ教会」は最初の本格的な異邦人教会、最初の海外宣教の教会、最初に弟子たちが「キリスト者(クリスチャン)」と呼ばれるようになった教会として、教会の歴史において、その占める位置は大きいものがあります。特に世界宣教の拠点、基地として教会の果たした役割は私たちの記憶から消えることはありません。アンテオケ教会は設立当初からすでに世界宣教、海外宣教に備えられていた教会でした。その教会の特徴は、第一に国際色豊かな都市(ギリシャ人、シリア人、ローマ人もユダヤ人在住)にふさわしく、自由で開放的な教会でありました。第二に信仰的にたくましく成長する教会でありました。多くの回心者が起こされ、霊的ないのち、信仰のいのちのたくましさがありました。第三によく訓練された教会でありました。教会は神の言葉の知識に基礎づけられた土台の上に建て上げられなければなりません。アンテオケ教会では、バルナバとサウロ(パウロ)が一年間教会員を教え、訓練しました。その結果神の言葉を通して神のみ心を知り、宣教の情熱が燃え上がりました。第四に、キリストを証する教会でありました。このアンテオケで初めて弟子たちがキリスト者と呼ばれるようになりました。(使徒11:26)アンテオケ教会は圧倒的に異邦人が主流を占め、全信徒の熱心な証によって、ぐんぐん成長しました。信徒一人一人が至る所でキリストを証したのです。それが世の人々の注意をひき、評判となって「クリスチャン(キリスト党)」とあだ名されるまでになったのです。第五に、惜しみなく捧げる教会でありました。アンテオケ教会の兄弟姉妹たちは、エルサレム教会が非常に困っていると聞き、早速支援するために、計画的な献金集めに惜しみない心をもって一致して当たりました。それができたのは、彼らの献身が本物であったからです。しかし何よりアンテオケ教会がこのような教会であり得たのは、誕生したばかりの小さな教会にあふれている「神の恵み」でした。ギリシャ語で「恵み」と「喜ぶ」は同じ語根から出来ています。「恵み」のあるところにその当然の反応として「喜び」が生まれます。「恵み」を見出すことさえ出来れば「喜び」が必ずついてくるのです。「神の恵み」によって一つの主の群れが生まれ、信徒がその「恵み」を実感して生きている教会は、必然的に「喜び」があふれます。そこに「主の教会」が存在し、教会は「神の恵み」によってだけ立ちもし倒れもするのです。             アンテオケという古代都市は、今はアンタキエという名の小さな町になっております。しかしかってその町に存在した小さなキリストの教会がこの町の存在を教会の歴史の中に知らしめ、今なお、この町の存在意義を支え続けております。この守山キリスト教会も現代のアンテオケ教会として、主の恵みのあふれる教会として守山区の地に固く立ち続けることが、この町の歴史的存在の意義を与えることになることを覚え、「神の恵み」に生き、みなが心を堅く保って常に主にとどまっている(使徒11:23)教会でありたいと願います。

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